病院の経営について

人々の命や健康を守る病院の仕事。
個人病院もそうですが、特に大規模な病院などは、男女ともに収入のトップクラスに君臨している医師や看護師をたくさん抱えています。
会社で言えば、エリート集団の集まりといったところでしょうか。
そういった意味では病院というのはかなり儲かっているのだなという印象を受けますが、実情はどうやら違うようです。

病院経営が羽振りがよかったのは昔の話。
いまや診療報酬制になり、いろんな医療行為に報酬の金額が決められるようになり、比較的自由に診療代をもらえていた時代とは異なるさまを見せています。

経営陣の高齢化・従業員の高齢化・患者さまの高齢化。かなり内容はシビアです。
大規模な公的病院や私立病院などは月に100万円以上の赤字を出しているというのです。
これが個人病院になれば、その病院の対応などによって異なってきますが、それでも平成14年に行なわれた診療報酬の減額によって収入は年間200万円も減っているといいます。
公的病院や大規模な私立病院は公的補助が出ますから、赤字になってもさほど影響はないのではないかと思われがちですが、閉院したり、統合合併したり、科を閉鎖に追い込まれたりするところも多いです。
では、病院の経営はどういうところに重点を置けばいいのでしょうか。
あえて冷たい言い回しをするとすれば、診療報酬の高い、儲けの出そうな科だけに特化した病院を作り、外来部門は切り捨てて、他の病院からの紹介された患者さんだけを診察。
入院期間は出来るだけ短期間で済ませるようにする。
これを実行すれば病院は儲かります。
ですが、これでいいのでしょうか。
近年は高齢化も進んで、患者は高齢の方が多いです。
慢性的疾患や、体のあちこちが悪く、特化した病院では体の隅々まで見てもらうことが出来ないなど、患者さんにとっていい環境ではありません。
赤字の原因は色々ですが、なにが原因かを良く考え、患者にとって心地よい病院体制を考えることが赤字経営からの脱却への道といえます。
患者さんに選ばれる病院を目指していきましょう。

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